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2018.04.20

【特別公開】メルマガ連載:日大アメリカンフットボール問題について・前編

弊社メールマガジンの人気コラム、原田隆史の「カリスマの目線」では、
先日、日大アメリカンフットボール問題について連載をお届けしました。
スポーツ、部活動関係者の皆様をはじめ、多くの皆様にぜひお伝えしたく、
弊社ホームページでも特別公開させていただきます。ぜひご覧ください。

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株式会社原田教育研究所メールマガジン【仕事と思うな、人生と思え】Vol.469(5/25配信)より
原田隆史の◇◆カリスマの目線◆◇Vol.463
<アメリカンフットボール問題について・前編>

本日は、継続連載している「大谷翔平選手の思考・心の中」をお休みし、
日大アメリカンフットボールの事件について考えたいと思う。

17年前に関西学院大学から依頼を受け、
12月末に開催される二泊三日の体育会リーダーズキャンプに毎年指導に行っていた。
アメリカンフットボール部とは関係者とも交流があり、
現在でも関学では運動部や学生の指導を行っている。

また、一昨年末には、京都大学アメリカンフットボール部・ギャングスターズから依頼を受け、
一年間、講義とグループコーチング指導を行った。
試合や指導現場の見学に行き、学生アメリカンフットボールの世界を肌で知った。
それらの関わりと、学校教育での部活動指導やプロスポーツの指導をしてきた
私の実践と体験から話を進めていきたい。

反則行為を起こした学生がマスコミの前で顔を出して謝罪し、会見するという
異例の事態に発展した今回の事件だが、
学生が伝えたいことは謝罪と事の真実、そして誤っていた自分との決別である。
彼やご家族の心中を察すると涙が出てきた。
まだ年若き学生である。
マスコミの誘導的な質問に対しても決して監督やコーチを責めず、
すべては自分の責任であると言い切った。
あっぱれである。

対して、大学側や指導者の対応と説明には力がなく、
タイミングを逸し、見ている側は疑問と不信を募らせたと思う。

今後、真相は明らかにされ、
被害届が出ているので法による見解も得られるだろう。
静観し、今後を見守りたい。

これまでにも、スポーツで多くの事件や問題が発生した。
記憶をたどると、大相撲での傷害と八百長、柔道でのセクハラ、
野球での薬物と八百長、カヌーでのライバル選手へのドーピング、
レスリングでのパワハラ等があった。
教育の世界では体罰事件が記憶に残っている。
それぞれの事件は法による処罰や、所属団体による指導で幕を引いたが、
その後も同様の事が繰り返されるのを見ていると、効果があるとは考えにくい。
また、今回は大学教育の中で発生した事案であり、
加害側・被害側、個人・チームを含め、今後の改善が強く望まれる。
「自己の成長と社会での活躍を目指し、日々トレーニングに励み、自他を尊び、
正々堂々とプレーする」というスポーツマンシップはどこに行ったのだろうか。

もし、私がそれぞれの事案やスポーツ界全体の指導を任されたらどうするだろうか?
という観点で、実際の方法を中心に話を進めていこう。

1、競技スポーツにおいて
「試合に勝つ、対戦相手に勝つ」というのは競技目標である。
日大が関学に勝つ、関学が日大に勝つ、と目標設定することは当然である。
スポーツには楽しみ方がある。
見て楽しむ、応援して楽しむ、軽く参加して楽しむ、真剣に競技として打ち込む。
どれもスポーツの楽しみ方だが、今回は競技スポーツの話である。
競技スポーツの場合は、それぞれの種目が持っている特性に触れるとなお楽しい。
例えば、対戦相手や、相手チームと競争して、勝ち負けを真剣に追及することが楽しい、
これは競争から得られる楽しさという。
また、陸上競技などでは、自分の決めた記録を目指し、達成することが楽しい、
これは達成から得られる楽しさという。
競争や達成が楽しいのである。

この観点からすると、事故や体罰があるとすぐに、競争しすぎ、競争させ過ぎ、厳しい練習をし過ぎ等の
やりすぎ論が叫ばれるが、それは間違いである。
競技スポーツは「他者や他チームとの勝負を楽しむ特性を持った種目」なので、
相手に勝つために真剣に、ハードに練習し、競技することから楽しさを味わえるのだ。

さて話を戻そう。

では何のために勝つのか?
何の為にアメリカンフットボールという競技をするのか?は設定されていただろうか。
スポーツを行うことの最終ゴールは、
簡単に言うと「自己実現と社会性の育成」である。
また大学での教育の範疇にあるスポーツであるので、
「スポーツを通して、自分の能力を究極まで高める楽しさを体験し、
自己を限界突破させて成長させる可能性を目指しながら、
自他を尊重し、社会や他者に貢献できるマインドと行動を育成する」ことがゴールである。
このような教育的な目的が指導者やコーチ、選手に明確に設定・提示され、
周知徹底されていると、対戦相手を反則を犯してまで潰すという考えと行動は生まれない。
仮に思い浮かんだとしても、自分たちで気付き、否定できるようになる。

人は目的と目標により、モティベートされるのである。
今回の問題では、「目的なき、勝利のみありき」ではなかっただろうか。
私ならば、部や個人が競技スポーツを「何のために行うのか」「スポーツとは何ぞや」
という目的を全員で共有し、理念として掲げ、そして全力で勝つという目標に進ませる。

多くのスポーツ選手やチームに関わっているが、
目的や理念を掲げ、周知徹底し、競技に励んでいるチームは少ないと感じる。

やはり正しいゴール設定を教育により指導し、学習させなければと強く感じたのである。

次号に続く。
ありがとうございました。

原田隆史

 

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>>連載(1)大谷翔平を育てた教育その1はこちら
>>連載(2)大谷翔平を育てた教育その2はこちら
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