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Vol. 16 「別に」が口癖 「ゆとり世代」の若者を育てる ①

最近、立て続けにいろいろな場所で同じようなご質問を受けました。 それは、概ね、次のような内容です。
「うちの社員、『どうしたんだ』と聞くと『いや、別に…』としか答えないんです。どうしたら良いですか。」 今年、22歳になる若者たちは、「ゆとり世代の若者たち」と呼ばれています。 ゆとり世代(およびその年齢以下の若者たち)の特徴を観察すると、
1.挨拶が苦手である
2.場所や場合をわきまえたマナーが身についていない
3.口癖は「別に」「知らない」「聞いていない」「うっとうしい」など というようなものが、あげられます。
もちろん、悪い点ばかりではなく、
1.IT関係に強い・得意である
2.事務仕事などを完璧にこなす
3.自分の趣味を大切にする なども上げることができます。

新卒社員を採用する企業は、まさにこのような若者を指導していくのです。 「どうしてあいさつができないんだ」と単に叱ればよいのでしょうか。 「『別に』だと、わからないじゃないか」と怒鳴ればよいのでしょうか。 少子高齢化等から察すると、ますます若者の数が減ってきます。 これからの企業の採用は、優秀な人材を待ち、選び、採用するだけが企業の採用ではありません。 企業の社会的責任(CSR)の一環として、入社してきた若者を、たとえゆとり世代の新人類であれ、「優秀な人材に育て、社会に送り出し、活躍させる」という貢献の仕方が求められています。
「近頃の若い者は・・・」と切り捨てるのではなく、彼らが育ってきた時代背景に目を向け、効果的な指導方法を模索し、実行していくことが責務です。
「ゆとり世代」とは、日本が「ゆとり教育」を本格導入した2002年以降に中学校で教育を受けた世代をさしますが、その時代の教育とはどういったものだったのかを振り返ってみます。 戦後の「詰め込み型・暗記中心教育」の結果、日本では「受験戦争」という言葉が生まれるほど、猛烈な上昇志向の教育が行われました。 しかし、1980年代後半に、バブルが崩壊しました。世の中の価値観が大きくかわる転機となったこの時代に生まれたのが「ゆとり世代」の若者です。 1990年代になると、社会を震撼させるような事件が起こり始めました。世間で言われる無差別殺人や、特に青少年による突発的で残虐な殺人事件、その動機がとうてい理解できないような事件も起こりました。 学校現場では混乱が起き、その結果「今の教育が間違っているのではないか」「詰め込み教育をやめて、もっと子供たちの個性を大切にし、心のゆとりを育てよう」となったのです。 これが、日本の「ゆとり教育」の始まりです。 「生きる力」という概念もその頃に生まれたものです。 この教育の一大転換期に生まれた発想の一つが「支援」です。 「指導」ではなく、「支援」する。導くのではなく、支える。子供たちのやる気を高めるために、できる限り子どもの個性を尊重し自由に選ばせる「選択制」という考え方もポピュラーになりました。 その結果、どうなったのでしょうか。 大人から「指導を受け学ぶ」という機会が減りました。「指導」ではなく「支援」ですから、例え大きな間違いを起こしても、「失敗することもあるよ、がんばろう」と支えられるだけです。 「なぜ失敗したかよく考えて、その失敗をチャンスに変えられるように最後まで努力しなさい」という指導が行われることは、少なくなりました。 また、そういった指導ができる教師・大人の数も減りました。 そして「知らない」子供たちが増えたのです。 挨拶の仕方を知らない、失敗した時にどうやって巻き返すのかがわからない、公共の場面でどう行動すればよいのか知らない。 この状態を「未学習」の状態、と呼びます。 そして、未学習の若者たちが、世の中に出て、社会の構成員の一人として未来を担う時代がやってきたのです。 第17号では、この「未学習なゆとり世代」に対して、どのように対応していけばよいのか、その具体的な方法について私なりの考え方をお話したいと思います。 一寸先は光です!感謝。
(原田隆史)