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Vol. 39 『しらしんけん 力こぶ』 大分県陸上競技への思い

私は昨年の秋から、ご縁をいただき大分県中学校の陸上競技の応援・指導に携わってきました。 最大の目標と定めてきた大分県開催の「第38回全国中学生陸上競技大会」(以下、全国大会と呼びます)の開催もいよいよ今週末に迫っています。 昨年の秋、ある大分県の先生からご相談を受けました。 最初は、陸上競技の練習方法などについての相談でした。 昨年の大分県といえば、「教員採用試験での不正問題」で大きな話題となりました。話は当然、そのことにもなりました。陸上の相談に来られた担当の先生は、もちろん不正には何ら関わりがありませんでしたが、それでも明らかに落ち込んでいました。 その後、たくさんの大分県の先生方、教え子に会いました。 みなさん、一様に元気がありませんでした。採用試験の話題が出ると、涙を浮かべる先生も中にはおられました。 「本当に一生懸命頑張っていた新任教師まで冷ややかな目で見られている」 「今回、採用取り消しになった教師の中には現場で優秀な人もいた」 「大分で教師をやっているというだけで、冷たい目で見られる」 「一部の教師のせいでこんなことになって、くやしい」 現場で熱心に教育に取り組んでいる教師までもが元気を失い、小さくなっているとのことでした。先生方が元気をなくせば、当然、生徒にも影響を与えます。 大分県の陸上競技に関わる先生方にお話を伺ってみました。 どの先生も教育現場を覆う重い雲を何とかしたいと考えておられました。 お話を伺ううちに、私は、採用の件で「真面目な教師が被害をこうむった」とだけ考えるのではなく、もっと能動的に思いを発信すべきではないかと考えました。 「受け身は極悪、弱気は厳禁」です。 そこで、当初の予定であった陸上競技指導や学校教育全般に関する講演会だけでなく、「思いを作り、先生方を元気にする」という面からも、大分県の陸上競技をサポートすることにしました。 私は、先生方の熱い思いと心意気に打たれました。 大分県の中学校陸上競技に直接関わる教師で作る「強化部」のミーティングにアドバイザーとして参加させていただきました。 強化部は、大分県全域から選手を集め、合同練習会や記録会を開催し選手を育成します。 通常なら、練習方法や役割分担について話し合う第1回の会議で、参加者全員で「目的と目標」についてとことん話し合いました。 目標は、「全国大会の出場種目と出場人数、目標順位」です。 普段から目標設定にたけた教師なら、目標は短時間で決めることができます。 しかし、今回大切なのは、「目標の前の、目的、思い」の部分でした。 先生方は、「何とかしたい」という「思い」を持っていました。その思いを、文字にして表し、大分県民や中学生たちに伝えることが大切です。 指導者たちの話し合いは、夜通し続きました。 真夜中、疲れてきて妥協しそうになっても、誰かが声をあげて「いや、これでは伝わらない」と軌道修正します。 そうやってようやく、全員が思いを込めた目的ができあがりました。 「陸上競技を通して、大分県民と中学生に、自信と勇気を与える」 その目的を達成するための目標として 「全国大会に14種目・21人が出場し、その内五種目入賞する」と決まりました。 その思いをわかりやすく表す「スローガン」として決まったのが、今回の題名になっている、「しらしんけん 力こぶ」です。 「しらしんけん」とは、大分県の方言で「一生懸命」という意味です。 その後、何回もの練習会や試合を重ねました。 弊社顧問であり、日本屈指の陸上競技指導者である吉田浩之先生も、大分へ指導にかけつけました。 目的意識を強く持ち、スローガンを胸に指導者と選手が一致団結し、意識の高い練習を重ねた結果、8月21日から始まる全国大会には、大分県から「14種目・19人」の選手が参加標準記録を突破し、出場することになりました。 中学校の教師だったころ、私は身をもって「目的意識」の大切さを知りました。 「何のための目標なのか」を考えたとき、自分以外の人々が喜んでくれる顔が浮かぶからこそ、目標達成に意味が生まれるのではないでしょうか。 大分県だけでなく、全国からやってくる中学生・指導者・その家族たちの、何百・何千という思いをのせて、全国大会がいよいよ始まります。 「しらしんけん」に競技に打ち込む中学生をどうか応援してあげてください。 私も現地で最高の指導とサポートを展開します。 大分でお会いしましょう。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)