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Vol. 56 キャリアを高める『市場価値』 その2

前回に続き、キャリアマネジメントについてお話をすすめていきたいと思います。 前号では、私の考える「キャリアマネジメント」の概要についてお話をさせていただきました。今号では、もう少し掘り下げ、「市場価値の育成の方向性」についてお話をします。 市場価値育成については、マルチな観点が必要です。 今の自分の力、願い、責任、やってみたいこと、または顧客のニーズ、提供するべき価値、などから「特に育てたい特別な強み=市場価値」を決定し、育成のための具体的な取り組みをすすめていきます。 しかし、「いまの状態」のことだけを考えていては、市場価値を十分に育成できるとは言えません。 ここで必要なもう一つの観点は、「未来」に向けてのものです。 例えば、ここで皆さんに質問をさせてください。 「将来の日本では、今後どのような現象が起きると思われますか」 即座に思い浮かぶものは「少子高齢化」ではないでしょうか。 最近の調査でも、「結婚はしなくてもよい」と考える人は70%、「結婚しても子どもはいらない」と思っている人は、若い世代ほど高く、平均では43%に上っているという結果が出ています。(内閣府調査より) 雇用不安や多様な仕事観など、こういった意識の変化には様々な複合的な原因が考えられますが、今後の日本の少子高齢化はおそらくますます進んでいく傾向にあるでしょう。 少子高齢化がもたらすさらなる変化にはどういったものがあるでしょうか。 労働力には何か変化がないでしょうか。 以前にもお話しましたが、現在、老人介護の分野には多くの外国人労働者の方が働いておられます。国家試験では、優秀な外国人介護士の方が言葉によるハンディを被らないように、具体的な対応が期待されています。 子どもの数が減れば、将来の労働力が減ると考えられ、その不足は、例えば今後も人口増加が見込まれているアジアの国々、たとえば中国、インドネシアといった国の優秀な人材が埋めるだろう、と考えることは妥当なことです。 また、子どもの数が減る、ということは、今ある教育施設は今後、余剰を抱える市場になる可能性が大きいということです。 実際、すでに多くの学校で使われなくなった教室があり、放課後の勉強会や地域の活動などに転用されているそうです。 大阪の吉本興業は、東京・新宿にある廃校となった小学校校舎を改築し、ほぼそのままの形で東京オフィスとして使用しています。 新宿・歌舞伎町を新しい文化発信の街にしようという新宿区が、校舎の有効利用策として吉本興業と賃貸契約を結んだそうですが、今後はこういった利用方法も増えていくと考えられます。 そして、生徒が減り学校の数が減るということは、教師の数が減るということです。 教育的効果を出せる教師、学力向上や外国語指導、生徒指導ができる教師など、やはり他の人とは違う「特別な市場価値」を持つ教師がますます活躍するでしょう。 「日中関係の強化」や「日米関係の変化」といった外交面での変化も、将来の日本について考える際には重要な観点となります。 いずれにしても、まずは、そういった「将来への変化」をグローバルに読み取る力を普段から身につけておくことが重要です。 そのうえで、それらの「将来への変化」が求める「新しい市場価値」を、今から先取りして磨いていくことが大変大きな意味を持つのです。 つまり、市場価値は、「今求められる力を磨く市場価値育成」と、「未来のニーズを先取りし獲得すべき市場価値」という、2つの観点から考えることが肝要です。 また、未来のニーズについては、「仮説から探る」以外にも「仮説から『生みだす』」という姿勢も大変重要だということを付け加えておきたいと思います。 次号では、キャリアを構築するための具体的な考え方について、もう少しお話させていただく予定です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)