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Vol. 31 原田隆史の人生クレド⑨ 「人を育てる三性発揮」(2)(厳しさ、優しさ、楽しさ)

「原田隆史の人生クレド」と題して、私の「理念・ミッション」を短い言葉で端的に表している「クレド」を連続でご紹介しています。 ご自身の「クレド=信条」と比べてください。 第9回目は、「人を育てる三性発揮」の続編です。今回は実践例から考えてみたいと思います。 【人を育てる三性発揮(2)(厳しさ、優しさ、楽しさ)】 人や組織を育てるには、指導者・リーダーが意識をして「組織のムード」を作ることが大切です。 そのキーワードとなるのが「厳しさ・優しさ・楽しさ」でした。 中学校の教師をしていたころ、私はこの3性の大切さに気付きました。そして、陸上競技部指導や学校経営において実践しました。 たとえば、陸上部指導では、結果・成果を出させる厳しさ発揮が私の役目でした。しかし厳しさだけではムードはギスギスしてしまいます。 ある日私は、記録が伸び悩んでいる陸上部の選手が、次の試合に向けての悩みを保健室のK先生に相談していることを知りました。K先生がこっそり教えてくださったのです。 試合前に弱音を吐いて・・・一瞬はそう考えそうになりました。その反面、生徒の話を優しく聞いてくださった保健室のK先生に感謝の気持ちでいっぱいでした。 「優しく聞いてくださった・・・」 そこに気付きがありました。「そうか、優しさも必要なんや!」 その選手は、K先生にお話を聞いてもらい、心の整理がついたようでした。 今まで以上に練習に打ち込み、次の試合では素晴らしいベスト記録を更新しました。 この経験から私は、組織活動における「優しさ担当」を重要視するようになりました。 私が一人で厳しさと優しさを発揮することもできるのですが、よく考えてみました。 私は学校での生徒指導主事(学校全体の生活指導の代表者)という立場もあり、やはり「厳しさ」の指導を得意とし、全体からも厳しい指導の実践が求められていました。 「得意なことなら頑張れる」、その原理原則に立ち返り、「誰が見ても『優しさ』がその人の長所となっている先生」に、クラブのサポートをお願いしました。 そのベテランの女性の先生には、普段はおとなしい生徒が楽しそうに話をしていました。 また、1分でも早く学校を出て遊びにいきたがるやんちゃな生徒たちが、楽しそうに残って放課後に勉強を教えてもらっていました。 その先生には、包み込むような母性の優しさがありました。 クラブ活動のムードが一気に良くなりました。 私と、そのベテラン先生とのコンビネーションはばっちりでした。私は得意の父性的厳しさ発揮で生徒を目標達成へと導き、ペアーの先生は、私の思いを理解したうえで優しく生徒を励ましてくださいました。 ある日、陸上部のOBがクラブに顔を出しました。 卒業後、高校でも陸上競技に励む彼は、中学生に交じり一緒に練習をこなし、技術指導や声掛けをしてくれました。 その日の活動は、いつもにも増して質の高いものになりました。卒業生が参加することで中学生は張り切り、笑顔で、しかし真剣に練習に取り組んでいるのです。 「楽しそうやなあ・・・。楽しそう?そうか!楽しさや!」 こうして私は、「楽しさ」の大切さに気付きました。 そして生徒のさらなる自主的な活動を啓発するために、陸上部のOB達に定期的な技術指導を依頼しました。 自分が中学生の活動を指導する意味と意義、自分の役割をよく理解しているOBに指導に入ってもらうことで、クラブ内にとても楽しいムードが流れるようになりました。 厳しさ・優しさ・楽しさがそろいました。 こうして選手たちは、理想の雰囲気の中で、自分の最大パフォーマンスを発揮するようになったのです。 組織に3性をバランスよく配置しようと思ったら、自分がどのパートを担当するかを決め、残りのパートは職場の誰かに依頼します。 そうすることで、職場の人それぞれが持っている「強み」を発揮することにもなります。 仕事のスキルだけでなく、性格や性質の強みにおいての「適材適所」を考えることが、職場の活性化にもつながるのです。 さて仮に、3性の役割分担を誰にも依頼できなかったら、どうしますか? そうです。自分ひとりで3性を発揮するのです。 優秀な指導者と呼ばれる人は、実にバランスよく、しかも一人でこの3性を発揮しています。 これが教師、指導者に求められる「厳しい、優しい、楽しい」の演技力とも言えます。 2回にわたって「3性発揮」についてお話させていただきました。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)