メールマガジンバックアップ

Vol. 60 失敗とどう向き合うか 1

「日経トップリーダー1月号」(日経BP社)の中で、「心の強い人を育てる」というインタビューを受けました。 この記事の中では、インタビューのほかにも、トップアスリートの「心の強さ」についても分析してみました。 今年もさらなる飛躍が期待される3人の、強さの理由を探っていくと、彼らの専門的なスキルや能力を支える「心構え・姿勢」が見えてきます。 スケートをやっていなくても、浅田真央選手の取り組みには学ぶべき点がありますし、石川遼選手の謙虚さ、素直さ、真面目さを見ると、自分の子どもや生徒たちにもそうあってほしいと思いませんか。 「あの人たちは特別だから」と考えるのではなく、「何か学ぶべき点があるのではないか」という観点、つまり人間を普遍的な存在としてとらえ、「人はかくあるべきである」「私は人としてこうありたい」という、明快な人間観を持つことが大切なのです。 大変よくまとまった読み応えのあるものになっていますので、ぜひご一読ください。 さて、今回は、その記事でもお話した「失敗と向き合う姿勢」について、お話させていただきます。 【失敗した人に対して、どんな「問い」を持っていますか?】 例えば、あなたのお子さんのクラスでは、毎週水曜日は漢字テストが行われているとしましょう。 あなたは、漢字が得意ではないあなたのお子さんと一緒に、テストの前の晩に漢字の勉強をしました。 「よし、これで明日は100点だな!」 「うん、私がんばる!」 水曜日の晩、家に帰ってくると、あなたのお子さんは、自分の部屋から出てこようとしません。 「おーい、今日の漢字テストはどうだった?」 「・・・20点やった(涙)」 さて、前の晩から一緒に勉強したにも関わらず、20点という点数だったあなたのお子さんに対して、普段のあなたなら、どういった声かけをしていますか? 「なんで20点なの」 「もっと取れるだろう」 「何やってるんだ」 「しっかりしなきゃな」 「なさけない」 もう終わってしまったテストに対して、「なぜ」「どうして」とその失敗の原因を責めるばかりでは、進歩がありませんね。 そこで、タイミング良く、効果的な質問を投げかけ、その人の「思考」を導きだしていきます。 20点だったお子さんに対して、「何やってるんだ」と叱責し奮起を促そうとすることも大切かもしれませんが、それよりもさらに大切な問いかけがあります。 それは、 「じゃあ、本当は何点取りたかったの?」 というものです。 本当はどうしたかったのか、改めて聞かれることで、思いがあふれてきます。 本当は頑張って勉強したのだから、100点取りたかった。 本当はお父さんに喜んでもらうために、もっと良い点が取りたかった。 本当の思いを聞き出し、その後、「じゃあ、どうすれば良かったのか」「今度はどんなやり方をすれば良いのか」と質問し、最後まで根気強く話を聞いてあげます。 「次は、前の日だけじゃなくて、毎日勉強する」 「次は、練習回数を5回から10回に増やす」 質問と対話を繰り返すと、本当にやりたかったことだけでなく、「本当はどうすれば良かったのか」という、実際的な改善行動が生まれてくるのです。 失敗した部下や後輩、生徒やお子さんに対して、「なにやってるんだ」という憤りをぶつけるだけでなく、「あなたは本当はどうしたいのか」と問いかけてみてください。 思いを根気よく聞きだすことで、失敗して深く悩んでいる人に真剣に向き合うことができるのです。 「本当はどうしたかったの」 この一言で、大人も子どもも、失敗に向き合い、乗り越える姿勢に気付くことができます。 次回は、失敗した人に寄り添い、失敗の中にも必ず存在する「成功のヒント」を見つける方法についてお話する予定です。                                        最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)