メールマガジンバックアップ

Vol. 63 失敗とどう向き合うか 4

「失敗とどう向き合うか」のシリーズも最終回となりました。今回は、「失敗しない」ことを目標として考えてみます。 【思考のクセを断ち切る】 以前にもお話したと思いますが、私たちの日常の行動のうち、およそ80%以上が「無意識の行動」だと聞いたことがあります。 朝起きる、布団をたたむ、顔を洗う、歯を磨く、その時に鏡で自分の顔をチェックする・・・・ といった行動を、「さあ、布団をたたむぞ」「次は顔だ」「次は歯だ」と、一つひとつ確認しながらすすめる、といったことは、大人になればほとんどありませんね。 それは、小さい時から朝の準備を繰り返すうちに、特に意識しなくても、一連の流れ、つまり「習慣」として、その行動が形成されているからです。 その行動について考える時間が極めて短くなり、考えるのとほぼ同時に行動していて、考えなくてもできているように感じる。 これを私たちは「無意識のうちに」とか「知らないうちに」と呼んでいるわけです。 こういった行動は、いわば「行動のクセ」ともいえるものです。 例えばお風呂に入ると、体のどの部分から洗うかは、毎日同じで決まっているのではないですか。 洋服を着るのでも、どちらの袖から通すのか、ズボンが先かシャツが先か。何気ない行動にはその人の習慣=クセが表れるものです。 実は、これは行動に限った事ではありません。行動を生む源、その人の「考え方」も、ある一定のパターン、クセを持っているのです。 失敗をしたときに「あいつのせいだ」「○○部長のせいだ」「部下の△△のせいだ」と、すぐ誰かのせいにする人。 残念ながら、そういうクセが身に染みついてしまっているのです。 「だって・・・」「でも・・・」と、失敗について謝罪するより、まず自分の事情を説明し理解を求める人。こういう人も残念ですが、これまでずっと、そういった態度で失敗に対処してきたのですね。 自分が起こした失敗に対して、「被害者意識」を持ってしまう人は、過去にそういう考え方を繰り返してきたために、悲しいクセが知らないうちに身についてしまっているのです。 私たちは、「楽観的な人」「マイナス思考の人」「被害者意識の強い人」「主体的な人」と、その人の考え方や行動のパターンを細かく読み取り、その人のタイプを見抜いているものです。 指導者や管理職は、部下のそういったパターンに気づき、必要があれば思考の悪いクセを是正してやらねばなりません。 また、自分自身に対しても、常に同じパターンで考えてしまっていないか、セルフチェックを行う必要があります。 部下の考え方のパターンを知る、また自分の思考のクセを知る最も良い方法は、思考を文字にすること、つまり日誌を書くことです。 失敗したことに対して自分が最初にとった行動や頭に浮かんだ考え方を文字にして起こしてみれば、自分の悪しきパターンがはっきりと見えてくるはずです。 その悪しきパターンに落ちてしまうことを、私は「ドツボにはまる」と表現しています。 ツボにはまれば物事はスムーズに進むのですが、ドツボにはまると思考も行動も完全停止、身動きがとれなくなってしまいます。 そういったドツボのパターンを知っておけば、自分で意識的に回避することができます。 次に何かマイナスの出来事が起きたときは、「いつものパターンから脱却するぞ」と、自分を戒めることもできます。 また、指導者は、予測・予言的に、部下や生徒の失敗パターンを見抜き、そうならないための具体的な対策を一緒に考え、未来の成功へと導くことができるようになります。 自らをしつけ、セルフ・コーチングの観点から自分の行動・思考のパターンに気づくことで、失敗から成功へのヒントを見出すことができるようになり、より確かな成功への道を歩むことができるようになるのです。 以上、4回にわたって、失敗に対する態度と考え方についてお話をさせていただきました。 指導者は指導する社員・部下や生徒に対して、またどんな立場の人も、誰より自分自身に対して、失敗してもあきらめず、その人(自分自身)に寄り添い、最後までやり遂げる・やり遂げさせるという態度が大変重要です。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)