ホーム > 公式メールマガジン > メールマガジンバックアップ > 心のコップが上を向いた生き方

メールマガジンバックアップ

Vol. 69 心のコップが上を向いた生き方

私は企業の記念講演や、経営者の皆さんの勉強会などに講師として呼んでいただきお話をさせていただく機会があります。 また、企業や教育機関での研修でも、最初に1時間から2時間の「基調講演」をさせていただき、その後、原田メソッドの具体的なスキルやワークショップに入ることにしています。 私の講演の最も重要な目的は、「ご受講いただく皆さんの、心のコップを上に向けること」です。 私は、人は2種類だと考えています。 それは、「心のコップが上を向いているか、下を向いているか」ということです。 心にはコップがあります。心のコップが上を向いている人は、周りの人の話や学んだ内容、自分に起きたよいことも悪いことも、水を注ぐがごとくに、そのコップにどんどんと注いでいきます。 コップが上を向いている人は、生き方や態度・考え方が素直で、前向きで、真剣です。 反対に、心のコップが下を向いている人もいます。こういった人たちは、周りの人のせっかくのアドバイスも耳に入りません。 下を向いたコップに水を注いでもこぼれるのと同じで、自分に起きたよいことも悪いことも、吸収できません。いつも何かに対して不満を持っていて、考え方が後ろ向きで、やる気が持てません。 「心のコップが上向きか、下向きか」 この2種類の人間について最も特徴的な差は、「結果に対しての考え方」に表れてます。 心のコップが下を向いている人は、結果に対して「どうせ自分には無理」と、自分の「能力不足」を嘆きます。つまりは「他責の念」です。 一方、心のコップが上を向いている人は、たとえ結果が自分の願った通りでなかったとしても、「自分がもっとこうすればよかったのだ」と、自分の「努力不足」を反省します。 つまり「自責の念」を持つということです。 「心のコップ」は、このようにその人の考え方や感じ方という、いわば生き方全般に影響を与えるものです。 だからこそ、私は最も重要なこととしてどの講演・研修でも一番にお話をさせていただくことにしています。 心のコップを基準に考えると、人の生き方にも実は2種類あるのだということがわかります。これは大変重要な気づきです。 日誌を書きましょう、というときに、ある人は、こういいます。 「日誌の大切さがとてもよくわかったよ。でも、今までも何回もチャンレジしてきたんだけど、どうしても続かないんだよなあ。今回も一応やってみるけど、たぶん3日ぐらいでやめると思うなあ」 またある人はこう言います。 「日誌の大切さがとてもよくわかったよ。僕は1か月後には、タイムスケジュールを完璧にして仕事の効率を今よりもよくしたいと考えている。だから、日誌にとり組んでみるよ。今まで日誌が続いたことはないけど、1か月後の目標のことを考えたら、今までの失敗は関係ないね」 どうですか、この二人の考え方の差がおわかりになりますか。 最初の人は、自分の未来を、「過去」を基準に考えています。 過去の自分はダメだった、だから今の自分もできない、もちろん未来の自分も無理、という、過去を起点にして今も未来も否定してしまうという考え方です。 後の人は、「未来」を基準にして考えています。 未来の目標やなりたい自分の姿を考え、だから今の自分はこれをしよう、しなければいけない、と考えています。そこには、過去にダメだった自分や失敗した自分が入り込む余地はありません。 未来の目標を決めて、その決めた高みから現在を見て行動する、これも、心のコップを上に向けるための大切な思考と行動です。 人は、未来の夢や理想、「何のために」という目的を描くからこそ、心のコップを上に向けることができるのです。 心のコップが下を向いている指導者・リーダー・管理職・教師が、目の前の社員・部下・後輩・生徒の心を上に向けることはできません。 やる気のない生徒、というのがいます。やる気がないように見えます。 勉強も運動も、友達関係も、別に何でもいい、という生徒です。そういった生徒は、心のコップが完全に下を向いてしまっていて、過去のダメだった自分の姿にとらわれてしまい、現在から未来の自分に対して、何の期待も希望も持っていないのです。 こういった生徒の心のコップを上に向けられるのは、心のコップが上を向いている教師だけです。 下を向いた心、後ろばかり見ている視線を、上に向けて前に向けてやるには、未来に連れて行ってあげることしかありません。 なりたい自分、かなえたい夢、こうしたいというぼんやりとした思い、そういった、たとえ小さくても輝く「未来の希望の兆し」に気づかせて、そこから今の自分を見させて、心のコップを上に向けてあげることです。 心のコップが上を向けば、やがては教えられなくても、自らがその希望の兆しに気づき、主体的で前向きな生き方ができるようになります。 未来から現在を見て、やるべきことに気付きイキイキと取り組む人生。素晴らしいと思いませんか。 私はこれからも、常に自他に問いかけていきます。 「今日のあなたの心のコップは、上を向いていますか」と。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)