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Vol. 75 教育こそ、私の原点

5月から、大阪・東京・高知で、教師塾の新しい期がスタートします。大阪は第15期、東京が第12期、そして高知は第3期を迎えました。 私は、まだ松虫中学校で現役の教師だった時に、大阪で教師塾の第1期をスタートさせました。 これまでの8年間、私は「教育こそが日本の再興のカギとなる」という信念を持って教師塾の活動に取り組んできました。 私は今、会社経営者であり、企業に対してコンサルテーションを行うこともあります。 しかし、私は、自分は根っからの「教師」であり「教育者」であると思っています。人と接することが大好きで、人を成功に導いたり、目標達成の手伝いができたりしたときに、最も大きな喜びを感じます。 これこそが自分の生き甲斐である、と感じることができるのです。 そういった8年間も振り返ってみても、私は今ほど、教育の力が求められている時代はない、と考えています。 多様化する価値観、学力向上への取り組み。そして、ほとんどの人が漠然としたイメージでしか持ちえない「生きる力」を高めるための努力。 日本の教師は、世界的に見ても大変優秀であると私は考えています。 なぜなら、上記のような多岐にわたる子どもと家庭・地域・社会からのニーズに対して、日本の教師はマルチな役割を一人で抱えて奮闘しているからです。 学力向上のために、授業改善と教材研修を行い、放課後は生徒指導上の問題に対応し、土日はクラブの引率で試合に出かけている。 そのすべての分野においてある程度の結果を出さなければ、「いじめ無くして」「先生もっとがんばって」「休日もクラブ面倒見てやってよ」「わかりやすい授業をしてほしい」というような保護者の多様な要求に応えることができません。 学力向上というときに、常にフィンランドという国の取り組みが日本と比較されます。 私はこのことは、最新刊「いま、子どもたちに伝えたいこと」にも記しましたが、フィンランドの教師は、基本的には教科の勉強を教えることに専念しています。 心のケアや生徒指導上の問題に対しては、専門的なスタッフが常駐しており、教科を教える教師が授業に集中できるようにサポートします。 放課後の部活動はなく、スポーツに取り組みたい生徒は、地域のスポーツクラブに通って、そこで専門家の指導を受けるのです。 また、義務教育期間はもちろん、高校から大学まで授業料がほぼ無料であり、高校までは筆記用具や給食費といったものも無償で提供されているそうです。 日本でみられるような私立学校との比較・競争もほとんどありません。 つまり、学力・生徒指導・部活動と、それぞれの分野で至極当たり前のこととしてその分野の専門家が担当しているということです。 これは、専門的な力を伸ばすと言う点においても、また、生徒が多様なコミュニティと接点を持ち広い視野を身につけることができるという点においても、大変効果的であると言えます。 学力向上に集中して取り組める環境にある、海外の教師と、一人何役もの仕事をこなしながらそれでも世界に誇る学力水準を誇っている日本の教師。 どちらのほうが優れているということではなく、どちらの国の教師も、大変よくがんばっている、ということではないでしょうか。 教師塾に話を戻しましょう。 教師塾で学んでいる教師の皆さんは、そういったマルチな役割を抱えながらも、主体者意識を持ち、まさに「主体変容」の気概を持って教育に取り組んでいます。 それは、小学校でも中学校でも、校種を問わずすべての教師に共通している姿勢です。 「フィンランドの教師はいいよな、教科だけに専念できるから。」と考える教師は、教師塾にはいません。 日本の学校制度の中で、日本の教師にしかできない取り組みを通して、子どもたちの学力を伸ばし、人間力を向上させています。 そしてもちろん、教師塾で学ぶ先生方以外にも、日本全国にそのような「本気の教師」は数多く存在しています。きっと読者の皆さんのお子さんが通っておられる学校にもそんな先生がおられるはずです。 私はそういった、教育活動に献身する、本気で頑張る教師が働きやすい社会、日本であるように、こうして皆さんに発信し、お力を貸していただきたいと考えています。 また、より教育のことを深く知り、現場の先生の力になれるよう、埼玉県の教育委員もお受けすることにしました。 私の活動の舞台は、学校現場、企業、行政、アジア、世界と広がりを見せています。 その原点は、どんな時でも、「教育」です。教育を通して、世の中にプラスの変化・変革を起こしていきます。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)