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メールマガジンバックアップ

Vol. 54 未来の高みから今の自分を見る

今日は、本当の「未来志向」ということについて、皆さんと考えてみたいと思います。 先日、海外のある出版社の経営者の方とお会いする機会がありました。 その方は、世界中のあらゆる人材育成・成功学についての学びを積んでこられた方で、これまでに約300冊の本を出版されています。 私たちの提唱する「原田メソッド」についても研究を積んでおられ、この度ご縁があり、直接お会いすることができました。 その方から、こんな質問を受けました。 「目の前の人に、どうやって具体的な夢や目標を持たせるのですか」 その方がおっしゃるには、最近はアメリカの子どもたちも、夢がないとか目標が見つからないという傾向があるそうです。 私が中学校の教師だった時、中には小学校で大変やんちゃで教師を困らせていた生徒がいました。 そういった生徒は、「学校は叱られる場所、先生は叱る人」と考えており、学校生活や先生に対して期待を持てず、むしろ不信感や絶望すら抱いていました。 また、学校生活が上手くいかないことが、自分自身への不信感につながり、自分の未来に対しても希望を持てないでいる、という悪循環がありました。 そういった生徒は、出会った初日にわかります。 大人を見る目つき、態度、言葉づかい。 全てが「正面を向いていない」のです。まさに「心のコップが下を向いている」状態で、こちらが何を言っても心に響かないのは当然のことです。 機会を見つけ話をしてみると、必ずこういう言葉が返ってきます。 「自分は小学校の時に怒られてばっかりだった。悪いこともした。だから駄目なんだ。」 彼らは、過去の失敗を反省するというよりは、過去の失敗にとらわれており、そのことが原因で現在の自分に自信が持てず、だから未来の自分に対しても半ばあきらめの気持ちを抱いているのです。 私はそういった生徒にはこう伝えました。 「確かに、悪いこともしたな、迷惑もかけたな、よく怒られたな。でもな、それはもう全部終わったことやな。それよりも、これからの未来の自分を考えてみてはどうかな。未来の自分は、今よりも駄目か、今よりも頑張ってるか。君はどっちになっていたいと思う?」 そうすると、100人聞けば100人ともが「今よりも頑張っていたい」と答えます。 そこですかさず、タイミング・イズ・マネーでこう伝えます。 「じゃあ、終わったことを考えるより、未来のことを考えてみようや。 例えば陸上部に入って、1年後、どうなっていたい?2年後、全国大会で日本一になりたいやろ? じゃあ、2年後日本一になっている自分と、今の自分を見比べたらどうや?今のままでいいのか? 遅刻する、全力を出していない、親や先生に反抗している。 終わったことはもういい。未来の自分から今の自分を見てみると『これではだめだ』という気がするやろ。 未来を起点に自分を考えること、それが大事やで。」 こうやって話をすると、生徒の目はキラキラと輝きだします。 自分の人生を見る観点が、ぐるっとまわってまっすぐ前を向いた瞬間だと言えるでしょう。 これは生徒だけに限らず、大人が夢や目標を持つ時にも大変重要な考え方となります。 私たちは、「今はこれぐらいできる」という自分自身に対する「セルフイメージ」を、過去の経験や体験から測っています。 過去に上手くできたこと=成功体験が、今の私たちの血や肉となるのと同様に、過去に失敗したことが、私たちのやる気やチャレンジ精神を狭める足かせとなり、今の自分だけでなく未来の自分に対する期待や希望すら萎縮させてしまうのです。 未来の自分、こうなっていたい自分、理想の自分を起点として、今の自分を見てみる。 言いかえれば、はるか高みから今の自分を眺めてみる、ということです。 例えば、ある生徒は、全国大会で日本一になるために、砲丸を毎日50本投げる、と決めました。この行動目標は、過去の経験から今の自分の力を測り、「50本は投げられるだろう」と考えた結果生まれたものです。 これを、「1年後に日本一になっている自分」を起点として考えてみると、 「ちょっと待てよ、一日に50本投げて本当に日本一になるのか?」 「50本じゃとても無理だ。100本投げよう。100本投げなければ、未来の自分に近づかない」と、無理なく、スムーズに気付くことが出来るのです。 冒頭の話に戻りましょう。 目の前の人に、具体的な夢や目標を持たせる方法、それは、未来の自分の姿を高みから見せてあげること、です。 私は、未来の自分を高みから見ることによって、未来の目的・目標達成のために今、自分がしなければいけないことが、はっきりと見えてきました。 今までどうして見えなかったんだろう、と思いましたが、それは要するに視点が低かったからです。 視点を高く持ち、今の自分を考えること、それが夢や目標を持ち、実現させるための大変重要な第一歩だと考えています。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)