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メールマガジンバックアップ

Vol. 43 目的・目標の4つの観点について 後編

今回は、前回に引き続き目標設定において大きな意味を持つ「目的」についてお話しさせていただきます。 前回お伝えしたように、私は中学校での陸上競技指導を通して、目標の前にまず大切な「思い」=「目的」の重要性に気付きました。 「何のために、誰のために」について考え、思いつくままに書きだしてみると、目標・目的は性質や種類別に4つにわけることができることがわかりました。 (1)私にとって有形の目標・目的 (2)私にとって無形の目標・目的 (3)社会・他者にとって有形の目標・目的 (4)社会・他者のとって無形の目標・目的 例をあげて考えてみましょう。 弊社所属の社会人陸上競技選手、清瀬静佳の目標・目的が私の手元にあります。その用紙には、彼女の「目的」が、50個ほど書かれています。 その用紙から「私は全日本実業団対抗陸上競技選手権で13M50を跳び、日本一を達成する」という彼女の目標に対する明確な思いを知ることができます。 清瀬選手の場合は以下の通りです。 (1)私にとって有形の目標・目的 「日本一を達成し、陸上専門誌に大きなカラー写真が掲載される」 (2)私にとって無形の目標・目的 「これまで全力でサポートしてくれている家族・コーチに恩返しができる」 (3)社会・他者にとって有形の目標・目的 「実践してきた原田メソッドの素晴らしさがより多くの人に広まる」 (4)社会・他者にとって無形の目標・目的 「(教えている)塾の生徒が勇気・元気を得てやる気を出す」 他にもたくさんあるのですが、わかりやすいものをあげるとこのような感じです。 これをさっと読むだけで、清瀬選手のことをあまり知らない方々も、彼女の人となりの一端を知ることになるのではないでしょうか。 「日本一になりたい選手」というだけでなく、 「この選手は、日本一になって家族に喜んでほしいんだな。それにどうやら原田メソッドを実践しているらしい。塾の講師もやって、仕事と両立しながら競技を頑張っているのだな。」ということがわかります。 競技の記録や結果のみならず、その選手だけが持っている「ストーリー」が如実に表れてくるのです。ストーリーには力があります。ストーリーは人に感動を与えてくれます。 私たちは、ただ強い選手とか世界記録、などというものに惹かれるのではありません。その選手が持っているストーリー、つまり思いの強さに惹かれ、思わず応援するのです。 以前に紹介したプロ野球の和田投手や岩田投手の慈善活動などは、目標と目的が見事に重なり合った素晴らしい実践と言えます。 たくさんの勝利をあげてチームに貢献するだけでなく、彼らは勝負以外のものを持って野球にのぞんでいます。それは、「社会・他者の目標・目的」に他なりません。 この原稿を書いている現在、イチロー選手は故障から復帰し、9年連続の200本安打に向けて再始動しました。 記録の誕生を心待ちにすると同時に、彼の大記録の原動力となっているであろう「目的と目標」について考えてみるのも一興ではないでしょうか。 「目標と目的」に関しては、このメールマガジンでも推薦している、吉田浩之先生の著書「部活動と生徒指導~スポーツ活動における教育・指導・援助のあり方」(学事出版)に、大変詳しく書かれています。 是非ご一読ください。 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (原田隆史)