メールマガジンバックアップ

Vol. 19 WBCと原田メソッド

約1か月にわたる戦いの末、「侍JAPAN」、野球の日本代表チームが、WBC(ワールド・ベースボール・クラッシク)において、2大会連続世界一、という結果を残しました。 イチロー選手の不調から最終打席での一打、世界一と名高い投手陣の大活躍、韓国との5度の好試合、と様々な話題がありました。
今回の「カリスマの目線」は、侍JAPANの「チーム像」と「目的・ミッション」という観点からお話を進めていこうと思います。
このメールマガジンでもよくお話していることですが、「目標達成」の前に、「なぜ、その目標なのか」という「目的意識」が大変重要です。 つまり、「目的=なんのために」が一番、次に「目的のための目標」、そして「どうやって=具体的行動」、という原田メソッドの重要な考え方です。 今回の侍JAPANを、この原田メソッドの「目的と目標」の観点から考えてみると大変興味深いことが見えてきます。 私がWBCの試合を最初に見た時に気がついたことは、「茶髪の選手が少ない」ということでした。 昨年、リーグ制覇を果たした埼玉西武ライオンズの選手も選出されていましたが、たとえば2番打者として素晴らしい活躍を見せた中島選手は、リーグ戦の時には、金髪に近い髪の色と、帽子をかぶった襟足からのぞく長髪が、大変印象的な選手でした。 ところが、侍JAPANに参加すると、髪の色が黒くなっていました。元西武で、今は大リーグに所属する松坂投手も、やや黒い色になっていたように思います。 茶色い髪のままの選手も何名かいましたが、日本のリーグ戦で目立っていた、金髪に近いような選手や、長髪の選手はいませんでした。 原監督が率いるジャイアンツでは、茶髪・長髪・ヒゲは禁止、というのは有名な話です。 それは、ジャイアンツが伝統的に「野球選手は、子供たちの生き方モデルでなければならない」という「価値観教育」を選手に対して行い、社会的存在としてのプロ野球チームの意義を理解しているからです。 今回、WBCでの2連覇という「目標」を立てていた侍JAPANの「目的」は、一体どのようなものだったのでしょうか。 それは、原監督のインタビューや、各選手たちの言動に顕著に表れていました。 松坂選手は2大会連続のMVP選手となりました。前回大会のときは、チームの中での年齢も若く、皆から名前の「ダイスケ」と呼び捨てにされ、かわいがられ何の責任も感じなかったそうです。 ところが今回は、29歳と、選手の中でも年上になりました。「松坂さん」と呼ばれるようになりました。楽天の田中投手や日本ハムのダルビッシュ投手など、これからの球界を背負うであろう、自分より年下の選手がたくさんいました。 「後輩たちが自分を見ていると思うと、普段とはかなり意識を変えて行動しました。お手本にならなくてはいけない、と思い、練習中の声掛けや普段の生活態度にも注意しました。」と、松坂投手はインタビューに答えていました。 原監督は、代表監督を受けるに当たり、「我慢すること」を肝に銘じたそうです。 何を言われても我慢する。選手の起用では、情は入れない。その時一番良い状態の選手を使う。そして大リーグ選手をはじめとする一流選手たちが自主的に動き、共通の目的を持ち勝利に向かって一丸となることに重きを置いた、と話していました。 その共通の目的が「日本を元気にする、子供たちのモデルとなり夢を与える」であったことは前述の様々な話や原監督の談話からも明らかになってきます。 国民的スポーツである野球の選手達が、子供たちのお手本となるような言動・活動をしてくれたら、どれほど教育効果が高いことでしょうか。 子供たちは常に、「あこがれ」を持って選手を見ています。 ソフトバンクの和田投手が自分の投球や勝利のたびにワクチン支援活動に寄付をしていることや、阪神タイガースの岩田投手が、高校時代に糖尿病を発症しながらも、「同じ病気に苦しんでいる人に勇気を与えたい」と、一日4回のインスリン注射を打ちながら活躍していることなどは、大変社会貢献度の高いことですし、彼ら自身の仕事・パフォーマンスに対する強い目的意識として、活躍の大きな原動力となっていることと思われます。 これは、野球選手だから持てる、特別な目的意識ではありません。 目の前の部下、後輩、選手、生徒、お子さんに対して、大人である私たちは、「生き方モデル」としての自分自身を見せていかなくてはいけません。 常々、原田メソッドを通して述べてきた「生き方モデルとしての大人のあり方」が、今回、WBCの選手の目的意識であったことは、大変大きな意味を持ちます。 社会に貢献できる目的を持つことが、大変重要だからです。人間としてどうなのか、が問われる、これが時代の流れなのです。 明確な目的意識のもと一丸となった選手たちは見事世界一に輝きました。 私は次のような仮説を立てています。 今後、プロスポーツだけでなく、あらゆる活動において、社会貢献・社会との繋がりといった目的意識を強く持たなければ、存続していくことは難しくなるでしょう。 そして、だからこそ、私が提唱する「原田メソッド」を正しく広め、一人でも多くの方々の幸福に寄与していきたい、と考えています。 社会的存在としての企業、学校、地域、そして自分自身。責任は重大です。 一寸先は光です!感謝。                                                                (原田隆史)