お問い合わせはこちら

GRO-WITHニュース
GRO-WITH NEWS

GRO-WITH NEWS GRO-WITHニュース

2018.04.20

【特別公開】メルマガ連載:日大アメリカンフットボール問題について・後編

弊社メールマガジンの人気コラム、原田隆史の「カリスマの目線」では、
先日、日大アメリカンフットボール問題について連載をお届けしました。

スポーツ、部活動関係者の皆様をはじめ、多くの皆様にぜひお伝えしたく、
弊社ホームページでも特別公開させていただきます。
今回は後編をご紹介します。

メールマガジンご購読はこちら
アメリカンフットボール問題・前編こちら


株式会社原田教育研究所メールマガジン【仕事と思うな、人生と思え】Vol.470(5/31配信)より
原田隆史の◇◆カリスマの目線◆◇Vol.464
<アメリカンフットボール問題について・後編>

日大アメリカンフットボールの事件について、引き続き考えたいと思う。

その後、監督とコーチが辞任し、第三者委員会も立ち上がった。
ある程度真相は明らかにされ、法による見解も得られるだろう。
今後を見守りたい。

5年前に、競技スポーツに属する指導者、部員約一万人にアンケートを行った。
「あなたの部活動の目標は何ですか?」
この答えに、まず出てくる目標は
「〇〇の試合に勝ちたい」
「〇〇の記録を出したい」
「レギュラーに選ばれたい」などの
競技成績や記録の向上等についての具体的な目標である。

しかし、アンケートを続けていくと、選手からは
「キャプテンになり部をまとめたい」
「リーダーシップを発揮したい」
「しっかり活動し、部員から信頼されたい」
「部活動を続けて忍耐力を育成したい」
「無欠席を続けて、体を強くし、自分に自信を持ちたい」
「多くの友達を入部させ、楽しく活動したい」
「お世話になっている先生を優勝監督にしたい」
(部活動に真剣にかかわってきた私にとって
「先生を優勝監督にしたい」などは、感動・涙ものである。
この選手は正確には「先生を僕たちが男にしたい」と書いていた。)
「学校が荒れているので日本一になり、学校を元気にしたい」
「強くなり新聞でプラスに紹介され、地域からの信頼を得たい」
等の目標を書き出した。
学校が荒れると、子供たちは生きがいを部活動に求める。
指導していた私にはよくわかるが、自分たちが部活動を頑張ることで、
子どもなりに学校や友達を勇気づけ、再生し、過ごしやすい学校にしたいと切に願うのである。
子どもを侮ってはいけない。

指導者が書いた目標には、
「未経験で苦手な種目を指導しているので、部員に正しいスキルを学び教えて
あげたい」
(この先生は、ご自身は文化部出身だが、
指導を受け持ったのは苦手なスポーツであるバレーボールだったそうだ)
「部員から信頼されたい」
「部の人間関係を良くし、仲良くさせたい」
「部員を増やしたい」
「部員を社会で通用する立派な人に育てたい」
「部員を無償で高校に進学させたい」等が書かれていた。

更に進めると部員は
「両親にいいところを見せたい」
「同じ部のキャプテンである兄に強くなって欲しい」
「祖母に活躍している姿を見てもらい、喜ばせ、病気から元気になって欲しい」
「日本一になり、亡くなった父との約束を果たし、両親に喜んで欲しい」
(この中学生は、責任感の強いお父様が東北の震災で
水防倉庫を締める途中に津波により行方不明になられた。
母子家庭になった彼は、お金のかかる部活動を続けるか迷ったが、
顧問や関係者の支えもあり、陸上競技を続け、見事日本一になった。
私は今もこの少年を愛し、ひそかに見守っている。)
という目標を書いていた。

また指導者は、
「生徒の競技成績を高め、スポーツを仕事とし、社会で活躍できる人になって欲しい」
「部活動で自信を高め、クラスに登校できる自立心を養ってほしい」
(この先生はクラスと部活の両方で面倒を見ていた生徒が不登校になり、
せめて部活だけでも参加させたいと学校と掛け合った。
その後生徒は回復し、登校するようになった。)
と書いていた。

私は教員時代に、問題を抱えていた中学校に赴任したが、
陸上部に多くの生徒を勧誘し、競技と共にリーダーシップとマネジメントを指導した。
優れた能力を身につけた陸上部員を各クラスや委員会のリーダーに就かせ、
最後は家庭のマネジメントもさせた。
そして学校、家庭、地域の再生に挑戦した。

以上のように部活動の目標は、
深く考えると「競技成績」や結果だけではない。
自分の心の成長、他者に対するいたわり、仲間に対する配慮、両親に対する感謝、
学校や地域社会に貢献できる人間性、社会性の向上などさまざまである。

前回に続くが、
活動の目標・目的を、時間をかけて内省し、考え、アウトプットすることが大切である。
自分やチームの目に見える「競技成績」や「結果」だけを追いかけるのがスポーツではない。
「見えない、見えにくい目標」「活動から得られる他者とのかかわり」
この点を明確にし、掲げることがとても大切である。

あなたの属する組織、チーム、部活動の
「見えない、見えにくい目標」「活動から得られる他者とのかかわり」は何だろうか?
これを考え、掲げることが今回の問題の答えになる。

今日はここまで。
ありがとうございました。

原田隆史

【ご案内】
スポーツチーム、部活動に関わる皆様へのおすすめ
▼“人が育つ”“競技力が高まる”診断ツール「BUKATSU」
http://bukatsu-lab.net/index.php

▼原田メソッド研修・講演のご案内
https://harada-educate.jp/admin/archives/gro_with_news/1284/

 

【特別公開記事 バックナンバー】
弊社メールマガジン「仕事と思うな、人生と思え」の
人気コラム原田隆史の“カリスマの目線”特別公開記事バックナンバーはこちらです。
>>連載(1)大谷翔平を育てた教育その1はこちら
>>連載(2)大谷翔平を育てた教育その2はこちら
>>連載(3)大谷翔平を育てた教育その3はこちら
>>連載(4)大谷翔平を育てた教育その4はこちら
>>アメリカンフットボール問題について・前編はこちら

CONTACT講演・研修のお申し込み
お問い合せはこちらから