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受講者の声
FAN VOICE

2025.11.12

小山守弘様(養成塾36期)

FAN VOICE : 株式会社ハマスピ 代表取締役 小山守弘さん

営業支援コンサルタント(株式会社ハマスピ)として独立し、販売戦略の最前線に身を置く小山守弘氏。2023年9月に設立した株式会社ハマスピを通じて、IT系企業をはじめとするB2B企業向けに「営業戦略」「実行支援」「事業企画支援」をワンストップで提供しています。キーエンスやワークスアプリケーションズといった成長企業で培ったプロセス管理と実行力の知見を武器に、少数精鋭の体制でクライアントの変革を支援。営業現場から教育・研修へと視野を広げ、「人が動く仕組みづくり」まで踏み込む姿勢に、多くの企業が注目しています。

 

Q. まず、原田メソッド養成塾を受講されたきっかけを教えてください。

実は、原田メソッドの存在自体は20年ほど前から知っていました。2005年ごろ、当時勤めていた会社の役員が原田メソッドについて説明してくれたのを覚えています。ちょうど原田先生が独立されたばかりの頃だったと思います。ただ、そのときは本を読んだ程度で、実際には何も行動に移していませんでした。

それから長い年月がたって、2年ほど前に自分で会社を立ち上げ、一人で仕事を始めました。そのタイミングで『スタープランナー』という書籍を手に取り、「まずは自分でやってみよう」と思い立ちました。そこからおよそ1年半ほど、日々書き続けてきました。

ただ、付録にある「オープンウィンドウ64」にも挑戦しようとしたのですが、時間がうまく取れなかったこともあり、自分の中で整理がつかずに挫折してしまいました。そんなときに養成塾の存在を知り、「これは今の自分に必要な学びかもしれない」と感じて申し込みました。自分の思考や行動を体系的に整えたいという気持ちが、受講の一番の動機でした。

 

Q. 受講を通じて、印象に残っている内容や考え方はありますか。

受講して特に印象に残っているのは、「四観点」の考え方です。これまでは仕事の成果や自分の成長にばかり意識が向いていましたが、原田メソッドを通じて「他者」「社会」、そして何より「家族」への意識が大きく変わりました。家族の存在を自分の目標と結びつけられたことに深い手応えがあり、それだけでも受講料の価値があったと感じています。

さらに、これまでの営業経験とも深く結びつく気づきがありました。たとえばキーエンスで学んだ「事前確認・事後確認」の文化は、スタープランナーの計画と振り返りの考え方に非常に近いものだと感じました。改めて「プロセスを見える化し、確認と修正を繰り返すこと」が成果につながると再認識できました。

そしてもう一つ強く印象に残っているのは、原田先生ご自身の姿です。講義の中での明るさや情熱が、言葉以上に強いメッセージになっていました。学ぶ側の私たちの姿勢までも変わっていったように思います。

 

Q. 人生の大きな決断や転機では、どのように道を選んでこられたのでしょうか。

振り返ってみると、私はいつも「人と違う道」を選んできたように思います。最初の就職先にキーエンスを選んだのも、当時の同級生の多くが知らない会社でした。けれど私は、歴史の長い大企業よりも「これから伸びる会社」に惹かれました。実際、キーエンスは営業効率の高さで知られ、当時から成長の勢いを感じました。結果として、その判断は正しかったと感じています。

次に選んだワークスアプリケーションズも、入社当時は社員が100人ほどのベンチャーでした。高単価の商材を扱う会社で、非常に挑戦的な環境でした。ここで学んだ「仕組みで営業を回す」という考え方は、その後の仕事にも大きく活かされています。

そして、結婚を控えていた時期に、安定した会社を離れて再びベンチャーに飛び込んだのは、大きな決断でした。給料も大きく下がり、「いろんなものを捨てて」挑戦した時期です。最終的に独立を決めたときも、税理士の方から「小山さんは何が何でも自分でやった方がいい」と言われ、その言葉が背中を押してくれました。自分の中にも漠然と「いつかは自分の会社を」という思いがあったので、「とりあえずやってみよう」と踏み出しました。

振り返ると、いつも安定よりも可能性を選んできました。運の強さというか、「引きの強さ」に助けられる場面も多かったです。でも結局は、やってみないとわからない。そう思って動いた結果が、今につながっているのだと思います。

 

Q. 営業職としてのキャリアを通じて、どのように営業力を磨いてこられたのでしょうか。

営業としての原点は、やはり新卒で入社したキーエンス時代にあります。入社当初は青森県を担当していましたが、最初の半年間は全く結果が出ず、全国ランキングでも最下位を経験しました。学生時代よりも「どん底」と感じるほどの悔しさでした。ただ、その悔しさが転機になりました。製品説明のロープレを何度も繰り返し、自分の弱点を客観的に分析して改善を重ねました。その結果、2年目以降は急激に成績が伸び、全国で常に上位10〜20位に入り、表彰されるようになりました。

キーエンスの営業文化には、「事前確認」と「事後確認」という徹底したプロセス管理があります。外出前には「外出報告書」を作り、訪問目的・PR内容・ゴールを上司と確認し、帰社後は訪問結果を1件ずつ報告します。電話件数や訪問数といった行動量もすべて数値化され、常に自分の営業活動が可視化される仕組みでした。最初は「監視されている」と感じましたが、次第にそれを「ゲーム」として楽しめるようになりました。数字で競うことが、自分の成長を実感できる場に変わったんです。この考え方は、今の「スタープランナー」や「原田メソッド」とも非常に近いと思います。

その後、ワークスアプリケーションズに転職し、高単価・長期商談の営業に挑戦しました。扱う商品は1億円から2億円規模の人事・給与システムで、商談スパンも長く、最初の1年半は全く売上が上がりませんでした。周囲からは「仕事をしていないのでは」と誤解されることもありましたが、理解あるチームメンバーに支えられ、あきらめずに地道に顧客と向き合いました。そして1年半後、ようやく最初の案件を受注し、その後わずか3ヶ月で合計5億円の売上を達成しました。この成果で社内から高い評価を受け、名古屋・東海エリアの責任者も任されました。

キーエンスで学んだ「プロセスを数値で管理する力」と「仮説と検証を繰り返す姿勢」が、どの会社でも成果につながりました。営業は運や話術ではなく、再現性のある仕組みと積み重ねだと実感しています。だからこそ、今も「予測と準備」を徹底し、行動を定量化することを大切にしています。営業とは「感覚」ではなく「構造」だと、今でははっきり言えます。

 

Q. ベンチャー企業での経営経験について教えてください。

ワークスアプリケーションズを退職した後、以前の同僚だった後輩から「新しい事業を一緒に立ち上げよう」と誘われました。当時は結婚を考えていた相手もいて、本来なら安定を選ぶ時期でしたが、最終的にその関係を解消し、収入も大きく下がる決断をしました。まさに「いろんなものを捨てて」の挑戦でした。

創業メンバーとして参画した会社では、創業社長がベンチャーキャピタル(VC)から約2億円の資金を調達し、ウェブサービスをゼロから立ち上げました。導入企業は200〜300社まで増えましたが、事業は黒字化できず、年商は1億〜1億2000万円ほどで頭打ちになっていました。そのころから徐々にVCの圧力が強まり、最終的に創業社長が退任することになりました。

その後、私が社長を2年間務めることになりました。表には出せないような葛藤も多く、思いもよらない形で人間関係が揺らぐ出来事もあり、本当に心が折れそうな時期でした。

最終的に、約50人規模の会社がその事業を買収してくれることになり、私はその会社に1年間の約束で役員として在籍しました。任期を終えて辞任したときは、安堵と喪失感の両方がありましたが、この経験が自分にとって「経営とは何か」を深く学ぶ大きな山となりました。

結果だけ見れば苦しい時期でしたが、今振り返ると、あの2年間で「人」「資金」「信頼」をどう扱うかを身をもって学びました。経営者としての責任の重さと、同時に、どんな状況でも前を向く強さを得た時間だったと思います。

 

Q.現在の活動や、今後の展望について教えてください。

現在は独立して、IT系の企業を中心に営業支援のコンサルティングを行っています。会社は私ひとりで運営しており、営業の仕組みづくりやプロセス改善をサポートする仕事です。キーエンスやワークスアプリケーションズで培った「事前確認・事後確認」などのプロセス管理の考え方を活かし、クライアント企業が再現性のある営業活動を行えるよう支援しています。

一方で、原田メソッド養成塾での学びを自分の仕事にどう生かせるかを常に考えています。最近では、契約している企業の取締役から「社員教育にもこの考え方を取り入れたい」と声をかけていただきました。特に「ストローク(心の栄養)」という概念が評価され、社員育成の場面でも活用できる手応えを感じています。

今後は、養成塾で学んだ内容を自分の中にしっかりと落とし込み、「自分の言葉で教えられるようになること」を目標にしています。営業支援の延長として、研修や教育という形で事業を広げていく可能性もあります。また、今は一人で活動していますが、いずれは志を共にできる仲間を増やし、より大きな価値を生み出すチームにしていきたいと考えています。

個人的には、原田先生のような考え方をもっと広く社会に伝えていきたいという思いがあります。特に、全国の学校の先生方にもこの考え方が伝われば、日本の教育がもっと豊かで前向きなものになるのではないかと感じています。自分の学びと経験を通じて、その橋渡しができたら嬉しいです。

 

■編集後記

小山さんとお話ししていて印象的だったのは、会話のテンポがとても早く、頭の回転の速さを感じる一方で、不思議なほどの安定感があったことです。喋っているうちに自然と引き込まれ、特別な言葉を交わしているわけではないのに、なぜか魅力を感じました。きっとそれは、人生のどのステージでも人との信頼関係を丁寧に築き、それを今も温かく保っている事実に裏打ちされたものなのだと思います。

大学時代のサークル仲間とも今なお交流が続き、これまで関わったほとんどの職場でも信頼が残っているという話がありました。特に、かつてベンチャー創業時にトラブルがあった創業社長と十数年ぶりに再会し、わだかまりなく語り合ったというエピソードには胸を打たれました。静かな語り口の中に、人を責めず、時間をかけて関係を修復していく誠実さがにじんでいました。静かな語り口の中に、人に対する深い敬意と信頼が感じられました。

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