受講者の声
FAN VOICE
2025.11.17
中嶋産業株式会社様
FAN VOICE : 中嶋産業株式会社様
厚板鋼材の溶断加工で国内トップレベルの技術力を誇る中嶋産業。需要減少が続く鉄鋼業界にありながら、大阪の4拠点を一つに集約する大規模投資や、製品ごとのCO₂排出量を算定する国内初の仕組みづくりなど、大胆な挑戦を続けている企業です。
その背景には、父である中嶋基博社長と、息子の克仁常務という“最強の親子タッグ”が、強い信頼と瞬発力で会社を導いてきた存在があります。
3年前に原田メソッド研修を受講してから大きな変革期を乗り越え、ようやく再び人づくりへ本格的に向き合い始めた今。「いよいよここから」というエネルギーと未来への手応えを感じさせる企業の姿を追いました。
Q:中嶋産業はどのような会社ですか?
A:当社は厚板鋼材の溶断加工において、業界屈指の技術と在庫力を持つ企業です。
「厚い材料の切断」という難易度の高い加工に対応できること、
そしてニッチな鋼材を含む幅広い在庫を保有している点が強みです。
また、九州・四国・大阪・関東に工場を持ち、全国展開しています。
災害やトラブル時に万が一どこかの工場が止まっても、他の地域からすぐに生産や出荷を引き継ぐことができます。
地域ごとに生産と供給の拠点を持つことで、無駄なコストをかけず、安定してお客様へ製品を届ける仕組みを築いています。
Q:業界全体の状況をどのように捉えていますか?
A:現在、鉄鋼業界は長引く需要減少の影響を受け、国内の粗鋼生産量は1億トンを下回る厳しい状況です。
厚板需要も年々減少し、かつて年間1,000万トンあった需要は現在800万トンを下回る水準となっています。
当社はこの状況を単なる危機ではなく、新たな挑戦とチャンスの時期と捉えています。
「疾風に勁草を知る(強い風が吹いてはじめて丈夫な草が見分けられる)」の考えをもって、全社員が知恵と力を結集して変化を乗り越えていく――それが当社の姿勢です。
Q:近年、大きな変化があったと伺いました。
A:はい。大阪に点在していた4つの拠点を新本社工場に集約し、敷地面積を従来の約2.7倍に拡大しました。
多額の設備投資を行いながらの決断でしたが、経営の効率化と生産性の向上を実現しました。
経営面でも、分散していた株式を集約し、安定化を図りました。
借入を行いながら返済を進めるなど、経営的には大きな挑戦でしたが、社内では「大きな危機を乗り越えた」という認識が共有されています。
経営体制の変化によって心理的安全性が向上し、意見を出しやすい環境が整いました。
工場長層を中心に組織のまとまりが進み、現場の会話が活発になったことで、より風通しの良い職場へと変化しています。
Q:業界初の取り組みも行われていますね。
A:当社では、製品一枚ごと(切板単位)にCO₂排出量を算定し、需要家に情報提供を行う仕組みを構築しました。
この取り組みは、2025年10月15日付の『鉄鋼新聞』でも紹介されました。
材料調達から出荷まで、製品単位でCO₂排出量を計算できる仕組みは国内初です。
環境対応という社会的要請に応えるだけでなく、「国内初」を継続的に発信することで、先進的な企業イメージを確立しています。
Q:人づくりへの取り組みについて教えてください。
A:人材育成は今後の重要課題です。
従業員の多くは専門教育を受けて入社しているわけではなく、「みんな素人」からのスタートです。
一人前になるまでには約10年が必要ですが、3年程度で戦力化するケースもあります。
新人教育では座学の後、「やりながら教える」OJTを中心に行っています。
理想は体系的な教育ですが、現場での積み重ねが技術と文化を支えています。
Q:原田メソッドはどのように活用されていますか?
A:3年前に原田メソッドの研修を受講し、原田隆史先生に当社までお越しいただき、当社の幹部が直接、原田メソッドを学びました。ですが、先に述べましたように研修受講後、当社にはいくつかの大きな変化が起きました。これらに優先的に取り組み、ようやく拠点の移動や経営体制の刷新についても落ち着いたところです。だからこれから、いよいよ、原田メソッドの展開についても攻めに転じようとしているところです。
具体的には工場長クラスを対象に、「長期目標設定シート」や「オープンウィンドウ64(OW64)」を作成できるレベルを目指し、管理層の実践力を高めています。これは、行き当たりばったりな対応を避け、年間計画を策定し、共通のベースで議論することで方向性のずれを防ぐことを目的としています。また、オープンウィンドウ64の会議を通じて、現場の課題に対する具体的な実行計画を立て、期限を設定することで、実践力を向上させています。
また、「日誌」についても、一度導入をしたがなし崩し的に中断してしまった経験があるため、今回は定着を強く意識しています。手書き負担を軽くするために4項目に絞った簡易版の運用を検討しています。意味を浸透させるためにも、まずは「やってみる」ことを重視しています。
また、今後は、「OW64会議」の定期開催を再開します。
人材育成や組織課題を共有する場として、社長報告会とも連動させ、計画的な改善を進めていきます。
また、原田教育研究所の研修も定期的に受講し、全社員が段階的に原田メソッドを学ぶ体制を下支えしていこうと考えています。
Q:最後に、会社として大切にしていることを教えてください。
A:私たちは「鉄を通じて社会の発展に貢献していく」という使命のもと、社員一人ひとりが誇りを持ち、感謝の人生を送ることを目指しています。
経営計画書の表紙は明るい黄色です。
縁起の良さと遊び心を象徴するその色には、
会社の明るさと挑戦の精神が込められています。
Q:最後に、会社として大切にしていることを教えてください。
私たちが一番大切にしているのは、「人の力を信じる」ということです。
鉄を通じて社会に貢献するのも、原点は“人”にあります。
どんなに時代が変わっても、誠実に、地道に努力する人の力が会社をつくる。
だからこそ、社員一人ひとりが夢を持ち、責任を持ち、感謝を持って働ける――
そんな会社でありたいと思っています。
ご報告
■原田先生、中嶋産業様のインタビューに行ってまいりました。
◯ご苦労さま。ありがとうね。どうやった。
■原田メソッドの写真を一枚も取れませんでしたよ!
◯え。
■3年前に研修をご受講されてから、大変だったんですよ。
◯いくつか、聞いたな。
■そうです。でも先生がご存じないこととして、大きな工場購入されてしました!
3年前に研修を受講されて以来、会社が大きく動いたんです。
偶然、隣の敷地が売りに出ていて、お父様(中嶋基博社長)が即決で購入されたそうです。大阪に点在していた4拠点を一つに集約。設備投資も相当なもので、経営刷新と引っ越しが同時進行。学びたての原田メソッドを制度化する余裕がなかったそうです。そういうこともあって大忙し。学びたての原田メソッドを社内の仕組みとして運用する余裕はなかったようですね。
◯すごい決断力やな。阪神ファンでラガーマンの熱い血を感じるよな。
■そうですね。社長室も情熱的でした。
◯おおー。中嶋社長、いい顔しとるやないか。

■インタビュー当日に、社長ご本人も来てくださいました。息子さんの克仁常務と一緒に。とても嬉しかったです。お二人の写真も頂いてきました!
◯おー、阪神タイガース藤川の22番やな(笑)。

■はい。今回の養成塾にも参加してくださってますし、「大きな過渡期を越えて、いよいよこれからだ」というエネルギーを感じました。
◯いいよね。中嶋さん。
■「円楽師匠の座布団を十枚重ねたくらい」の厚さの鉄を、ですよ。まるで包丁で豆腐を切ったみたいにつややかに切ってしまうんです。その切り口の美しさといったら、思わず見とれるほどで。
国内でも珍しいレベルです。その技術を、克仁常務がわざわざ時間をとって丁寧に説明してくださいました。工場の皆さんも礼儀正しくて、嬉しくなりました。
◯ええ現場やな。

■もし株が公開されていたら、私は「買い」だと思いましたね(笑)。
◯どういうこと?
■例えば親子の仲が抜群です。経営の現場で親子の関係が悪化する例は多いですが、このお二人は真逆。息の合ったチームワークです。意思統一が取れていて、判断も早い。しかもその判断が「なるほど!」と思えるものばかり。
◯ほほう。
■たとえば、CO₂排出量を切板1枚ごとに算定する仕組みを、自社で開発されたんです。
これ、国内では初の取り組みで、『鉄鋼新聞』にも紹介されました。

で、その記事をきっかけに、大手企業の幹部クラスから「もう少し教えてほしい」と問い合わせがあったそうです。
環境対応を“チャンス”に変えて、自然な形で会社の信頼を高めている。知恵の輝きを感じました!
◯やるねぇ。
■経営判断の速さについても印象的でした。この業界には中嶋産業様のようなオーナー企業は多くあり、意思決定が早い会社もあるそうなんですが――それでも、今回のような大規模な工場移転と増設の決定を、その場で即断してしまうのは、やはり並外れています。
大手企業なら半年から一年はかかるような投資判断を、一瞬の勝機でつかみ取る。
そういう「やると決めたら迷わない」胆力を感じましたね。
◯ええ話やな。
*新工場の写真↓

■お父様は元ラガーマン、克仁常務は元卓球選手。お二人ともタイプが違うけど、どちらも瞬発力とひらめきがすごい。克仁さんなんて返信も早く、会話が軽やか。頭の回転が速いんです。
◯最初に会ったときから「この子ええな」と思っとったわ。
■そして、これからまた原田メソッドを再始動されるということで…見てください、この経営計画書。表紙が黄色なんです。この中でも、原田メソッドが登場するんですよ。
◯黄色いね。

■先生の名刺の色が黄色いこととも関係があるそうです!(笑)。阪神の虎の色でもありますし、会社の縁起色なんだそうですよ。
◯おお…本当に楽しいなあ。(笑)
■そして嬉しい話もありました。3年前の先生の研修が、いまだ鮮烈に残っているそうです。原田隆史・川阪正樹、両講師のインパクトが強烈で、当時の“キーワード”が今も社内で通用する共通語になっている。
「オープンウィンドウ64」も形として残っていて、今すぐ再開できる状態だとか。次のステップとして、「OW64会議」を定期開催し、社長報告会と連動させる構想もありました。
◯ほんま、こういう会社とご縁をいただけるのはありがたいことや。これからも応援しよう。
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