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受講者の声
FAN VOICE

2025.11.24

梅津様(養成塾36期)

FAN VOICE : 梅津勝明様(影絵劇団「打ち出の小づち」)

──中小企業診断士・梅津さんに聞く「原田メソッド」と影絵の共通点

中小企業診断士として経営者を支援しながら、影絵劇団「打ち出の小づち」を主宰する梅津さん。その活動の裏には、「子どもたちに“自分で感じ、考える楽しさ”を伝えたい」という一貫した思いがありました。原田メソッドの学びと影絵、そして経営支援 ・・・ 一見つながりのなさそうな3つの軸をどう融合しているのか。この点を中心にお伺いしました。

 

Q 原田メソッド認定パートナー養成塾について、いかがですか?

A 原田メソッドとの出会いは、コンサルタントの遠藤先生が原田先生のお名前を挙げていたことでした。そこから興味を持ち、学び始めました。

ただ一方で、独学の限界も感じていました。日記が続かないなど実践の部分がどうしても弱く、「学んだ」を「できている」に変えられていない自覚がありました。人に伝える立場になるなら、まず自分がきちんと実践できる必要がある――そう考えて受講を決めました。

実際に参加してみると、講座そのものは楽しい一方で、学びを日常に落とし込むプレッシャーがあります。「しんどい」と感じる瞬間もあります。ただ、その分だけ手応えが大きいのも事実です。例えば「自分の機嫌は自分で取る」といった基本ができるようになりつつあり、行動の軸足が少しずつ整ってきました。

これまで、物事を深く考えずにふんわりと生きてきたところがありましたが、今は「言葉にして考えること」の大切さを強く実感しています。今後の課題は、自分なりの「軸」をもっと明確にすること。独学では触れられなかった部分に、講座を通じてようやく手が届き始めた感覚があります。

 

Q 影絵の魅力と、その体験がもたらす本質について教えてください。

A 影絵の魅力は、観る子どもたちの想像力によって作品が完成するところです。色や世界を自分で補っていくことで、ただ見るだけではなく「自ら感じ、考える」体験が生まれます。観客が参加してくれた瞬間、舞台ははじめて完成する――そんな手応えがあります。私はこの体験を、とても大切にしています。作品を届ける側の都合で完結させるのではなく、受け手の内側にある力を引き出し、形にしていく。その意味で、影絵は表現でありながら、同時に学びの場でもあります。

 

Q 影絵と中小企業診断士? どういう関係がありますか?

A 対象は違っても、本質は近いです。影絵では子どもたちに「自分で感じ、考える楽しさ」を伝えます。診断士の仕事では、経営者の「思いを形にする」お手伝いをします。どちらも、相手の中にあるものを引き出し、形にしていく営みだと感じています。

診断士を目指したのは、劇団に13年所属し、退団を考えたタイミングでした。「経営を学び、経営者の思いを形にする手伝いがしたい」と思い、資格取得に挑戦しました。合格までは4年半から5年ほど。一次試験は2年で合格しましたが、国語が苦手で二次試験に苦戦しました(汗)。それでも諦めなかったのは、「自分らしくいられない」と悩む中小企業の経営者や個人事業主の力になりたい、という明確な目標があったからです。影絵と診断士、表現と経営支援――この両輪が、今の私の活動の土台になっています。

 

Q 2017年に「ひとり影絵劇団」を立ち上げられました。お教え下さい。

A 2017年、仕事がうまくいかず、効率や生産性ばかりを求めることに疑問を持っていました。そんなとき、とあるブロガーの方、ホームレス小谷さん、福島正伸氏という3人のユニークな人物に出会いました。「自分のやりたいことは間違っていない」と背中を押されました。

そこから2017年末にひとり影絵劇団を立ち上げます。当初、「小学校で公演したい」と言っても笑われましたが、営業を続け、少しずつ機会をいただけるようになり、やがて全国の小学校で公演ができるようになりました。

1人で機材を運ぶ必要があるため、演出も工夫が必要でした。そこで子どもたちに人形を持ってもらい、舞台に参加してもらう「参加体験型」を考案。これによって、少人数の学校でも低予算で芸術鑑賞会が実施できるようになりました。先生方の反応は非常に良く、「こんなに盛り上がった芸術鑑賞会は初めて」と言っていただくこともあります。

特に印象に残っているのは、普段クラスに馴染めない男の子が楽しそうに参加してくれた公演です。先生方が本当に喜んでくださって、その姿が活動を続ける大きな励みになりました。影絵は、遠回りしてきた私の人生における大きな転機であり、自分を変えてくれた表現だと感じています。

 

Q ご自身の歩みを振り返って、今の実感やキーワード、発信の方法について教えてください。

A 「キャリア振り返りシートを書いてみると、長く低空飛行が続いていたと感じます。それでも「今が一番楽しい」と言えるのは、未来への「ワクワク」があるからです。過去の喜びはどこか受け身でしたが、今は自分の足で進んでいる実感があります。

私の活動のキーワードは「個性化戦略」というものがあります。「差別化戦略」とは異なります。競合との差を意識しすぎる差別化は、ときに自分を苦しめます。私は、自社の強みやこだわり、信念に立ち返ることを大事にしています。この視点は、モヤモヤを抱える経営者に対して、セミナーなどでお伝えしている内容でもあります。

 

Q 梅津さん今後の取り組みについて教えて下さい。

A 掲げているビジョンは「地方の子ども」と「地方の大人(中小企業)」をつなぐことです。小学校での公演経験と中小企業診断士としての視点を掛け合わせ、地域の中で相互に学び合える場をつくりたい。

企業研修の中に影絵を取り入れ、会社のこだわりや製品を「影」で表現してもらう取り組みを考えています。完成した作品は地元の子どもたちに披露する。子どもにとっては社会勉強になり、大人にとってはモチベーションの向上につながる。双方にとって良い関係が生まれるはずです。表現と経営支援の両面から、地域の循環をつくっていくのが目標です。

 

■編集後記

受け手の想像力で作品が完成する――影絵の本質は「自分で感じ、考える」体験を引き出すことでした。その視点は、経営者の「思いを形にする」中小企業診断士の仕事と地続きです。

独学の限界を越えて原田メソッドに踏み出し、リアルな学びの場で言語化と実践を重ねる。2017年の転機からひとり劇団を立ち上げ、「参加体験型」の工夫で全国の小学校へと広げた道のりは、まさに個性を軸にした歩みだと感じました。

これからは、影絵×企業研修で地域をつなぐ挑戦へ。表現と経営、子どもと大人――異なる世界を一つの線で結ぶ、その次の一歩が楽しみです。

ちなみに、梅津さんは「うめっちゃん」という名前で影絵劇団「打ち出の小づち」のショート動画を毎日投稿されています。影と音楽と物語が一体になったその短い作品は、どれも温かく、見終えたあとにふっと心が明るくなるような魅力があります。小さな積み重ねを大切にしながら、発信を通じて人に希望を届けている姿勢が印象的でした。

梅津さん、どうもありがとうございました!

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